意外と重要な「国語力」

 数学・英語・国語・理科・社会のいわゆる主要5教科の中で私が個人的に最も重要だと考えている教科について紹介したいと思います。


 結論から言うと「国語」です。


 誤解のないように最初に断っておきますが、もちろん足し算引き算ができなければ困るし、グローバル化・ネット社会の普及によって英語が日常生活の一部を形成していますし、社会・理科の基礎知識も日常生活の中で役に立つ場面も出てきます。どの知識も役には立ちますが、そういった直接的な知識ではなく能力として私が非常に重要だと考えているのが国語です。ほかの科目が役に立たない、という話ではないのでそこは誤解しないでいただきたいと思います。そしてこの記事はマスメディアでよく取り上げられる「若者の日本語の乱れ」とは全く性格の異なるものですのでそこも誤解しないでください。


 もっというと今回の記事は、みなさんぶっちゃけ国語を軽視していませんか?国語力はみなさんが思っているよりも重要かもしれませんよ?というそんな疑問の投げかけのような記事です。その理由を以下で説明していきます。


 国語力=日本語を操る能力、というイメージです。日本で仕事、生活をする、という前提での話になりますが、自らの考えを形成し、自分の考えと相手の考えを交換する道具として最も使われるのが日本語です。この日本語の能力、という意味で国語は重要です。

 様々な理由がありますが、今回は2つの理由と日常生活の中で日本語の能力を高めることのできる機会について紹介したいと思います。


 国語を重要だと考える1つ目の理由は、相手の質問していることが何か、ということを正確にとらえる力がコミュニケーションにおいて重要だからです。日常のコミュニケーションはざっくりいうと質問とそれに対する答えの連続で成り立っています。その中で、相手の聞いていることがどんなことで、この人はどんなことを知りたいのか、ということを正確につかむ、というのは非常に重要な能力です。

 聞かれたことに対して相手の質問の趣旨とは異なるトンチンカンな答えをしたり、相手にとって不要な情報を織り交ぜて伝える、というのは極力避けたいものです。逆に、自分が他の人に質問をした際に正確に自分のききたい事を答えてくれて、さらに必要な情報をプラスして答えてくれればその人への信頼は厚くなると思います。

 実は小学生、中学生、高校生の文章読解問題で質問されていることはこの能力の基本です。試験で出てくる問題は、文章を読んでその中から出題者の聞いていることだけを正確に抽出(ちゅうしゅつ)するという能力を試しているのです。文章読解の問題が苦手、という人が多くいますが、日常会話で行っていることを文章の形から抜き出す形になっただけなのです。もちろん全く一緒ではありませんが、コミュニケーションと基本は同じです。「この人は何を聞いているんだろう」ということを捉えて必要な情報を提示する。この力を養うことが国語の文章問題の意図だと思います。

 逆に言うと、日常生活の中で「この人はなにを聞いているんだろう」を意識すれば国語の文章問題の練習になるのです。そしてその質問に必要な情報を答える、これで日常生活の中で国語の勉強をする機会を得たことになります。よく「国語は勉強したことないけど得意」という人がいますがこれは国語のこのような性格によるものだと考えられます。つまり、人と話す機会の数だけ国語の勉強になるし、国語の勉強の時間は人とのコミュニケーションの基礎力の訓練になるのです。


 国語が重要な2つ目の理由は語彙力(ごいりょく)です。語彙力は自分の考えを相手に伝える際の道具の数となります。また、相手の話を理解するうえで知らない言葉は少ないほうが有利となります。そういった面からみて語彙力は増やしておいたほうが良いです。

 しかし、私がここで言いたいのは語彙力を増やしたうえでより簡単な言葉で伝える能力を養うことが本当に重要です、ということです。知識のある人ほど難しい言葉を使いたがります。教師、政治家、ワイドショーのコメンテーター等、、、。そして難しい言葉が分からない聞き手は、なんだかそれが正しいことであるかのような錯覚に陥り受け入れてしまします。これが私は非常に危険だと思っています。


 上の記事でも紹介したように、難しい言葉にだまされてはいけません。その言葉が分かればその人の言っているおかしなことが見えてくるのです。また、逆に自分よりも語彙力の少ない人にもわかりやすい言葉で伝えることができるのです。本当に頭のいい人はみんながわかる言葉でみんなを納得させることができます。語彙力を養うことは自らの頭で考え、行動するうえでとても重要な能力なのです。これが私が考える国語力が重要な理由の2つ目です。



 とても重たい内容で、とっつきづらい内容で申し訳ありません。また、国語力が重要、という文章を私の拙(つたな)い文章力で表現おり、説得力に欠けるかもしれません。

 しかし、国語は意外と重要ですよ、そして日常生活から意識することで少しずつ変わっていく機会はたくさんありますよ、ということを提案したくてこれを記事にしました。少しでも私の意図が伝わっていれば幸いです。


 なにか質問やご意見等ありましたらコメント等でご連絡いただきたいと思います。長文を読んでいただいてありがとうございました。

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