字の大切さ

 今回は勉強とは切っても切れない「字」についての記事です。


 今はパソコンや携帯電話が普及して大人でも字を手で書く機会が減ってきています。減ってきているとはいえ、書類にサインをしたり、メモを書いたり、お祝いごとの熨斗(のし)を書いたり等、字を書く機会は必ずあります。そんなときに多くの人が感じるであろうこと。


「もっと上手な字を書きたい」


 感じる大人は多いと思います。私も感じます。やはりきれいな字はかっこいいし美しいです。そしてなによりその人の人柄が表れると思っています。もちろん美しい字であるに越したことはありませんが、それよりも大事なことがあります。「読みやすさ」です。


 読みやすい字を書くことは、その字を読む人への思いやりです。たとえ上手でなくても丁寧な字は相手が読みやすいように、という書き手の配慮が感じられます。逆に人に読んでもらう字であるにもかかわらず走り書きでミミズが這ったような字を書く人からは、読み手への配慮は感じられません。それによって直接的に影響はないかもしれませんが心証には少なからず影響を及ぼします。


 私が小学1年生の頃の話です。勉強が嫌いだった私は宿題を早く終わらせたくて学校の漢字ドリルを雑な字で提出しました。そのときに当時の担任の先生にこう言われました。


「私は字をきれいに書くことはできない。でも少しでも読みやすくなるように丁寧に書いている。あなたはきれいな字を書く能力を持っている。それなのに雑な字を書く。それは本当にもったいないよ。宝の持ち腐れだ。」


 担任の先生の字はとてもきれいでしたし、当時の私の字は丁寧に書いても決してきれいなものではありませんでした。また、「宝の持ち腐れ」の意味が分からず、帰宅してからすぐに親に意味を聞きました。

 どういうわけかこの言葉が私には今でも印象深く残っており、それ以降は極力丁寧な字を心がけるようになりました。それが今の私にとってものすごく大きな財産になっているのは言うまでもありません。決してきれいな字ではありませんが、丁寧に読みやすい字を今でも心がけて書く習慣がついています。当時の先生がどれほどの思いであの言葉を言ってくれたのかは分かりませんが、きれいな字の先生のような字になりたい、と強く思ったのです。


 字は一朝一夕できれいに書けるようになるものではありません。学生のみなさんは毎日たくさんの量の字を書くと思います。もちろん、きれいな字だけを意識して内容が入らないような勉強ではいけませんが、せっかく日常的に字の練習をする機会があるのです。少しずつでも丁寧な字を心がけてください。それが将来、きっと大きな自分の財産になるはずです。

 そして大人のみなさんもこれからもたくさんの字を書く機会があるでしょう。「ボールペン字講座の通信教育でも受講しようかな。」と考えるよりもまずは普段の自分の字を少しでも丁寧に読む相手のことを思いやって書いてみませんか?私も今日よりも明日の字が少しでも美しくなるよう意識していきたいと思います。


 最後は所信表明のようになってしまいましたが、今回は字についてでした。字は習慣のたまものですので、普段から意識していただきたいと思います。

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